温暖化と異常気象 – 2014 アーカイブ


エルニーニョの冷夏(2014/2)

●北極より寒い寒気が南下(12/18)
上の画像クリックすると、全体画像が表示されます。これはヨーロッパ予報センター(ECMWF)が公開している上空の天気図です。
これを見ると、日本の北(旧満州からシベリア)が気温が低く、それより北の北極海の方が気温が高いのが分かります。

●荒れる大陸の西
寒気の南下による異常気象は大陸の西端で起きるようで、日本やニューヨークでその被害が大きくなるようです。台風とハリケーンもやはり大陸の西端です。これからは文明の中心は、気象災害の少ない大陸の東側に移ると思われます。

●暖冬予報またはずれる?
11月に、暖冬予報が出ていましたが、この寒気は何ですかね。毎年のことですが、12月の寒波で予報がはずれ、1月に厳冬に撤回します。スーパーコンピュータも、温暖化には太刀打ちできないということでしょうか。

●集中豪雨と雷雨(ゲリラ豪雨)
梅雨前線が停滞すると集中豪雨になります。その後、晴れや曇りになって気温が上がると、雷雨の激しい雨になります。ほとんど上空の寒気と偏西風の蛇行が影響しています。この画像は上空1500mですが、ここが8度~12度くらいだと、5000mには、-8~-10度くらいの寒気になるようです。上空の寒気は地上の暖気との対流を激しくするため、激しい雷雨や竜巻が起こります。

○北海道が記録的な暑さ(6/4)
大陸の方に熱帯並の暖気があって、それが日本の北に移動してきています。このため北海道が記録的な暑さになっています。一部の偏西風が極端に蛇行しているのため、暖気の動き(西から東へ)が遅くなって、暑さが続いているようです。北海道は4月頃まで、寒気の動きが遅く、吹雪に見舞われていたのに、やりきれないですね。
画像をクリックすると、アジア全体のワイド画像が表示されます。天気は西から東へ移動するため、ワイド画像の左(西)が天気の予想ということになります。ただし、日本付近は海水温によって偏西風が蛇行するので、単純な予想(移動)にはなりません。

○二酸化炭素濃度が高い
二酸化炭素濃度の記事がありました。2月の関東甲信の豪雪被害は偏西風の蛇行とこの温暖化の影響があるといわれています。

○エルニーニョの冷夏(2014/2)
今年の夏は、何年かぶりのエルニーニョの冷夏になるようです。冷夏は農作物の不作になりますが、暖冬になるといわれています。日本列島は大陸の東に位置するため、偏西風の蛇行による寒波や猛暑、豪雨に竜巻そして台風という気象災害のメッカになっています。つまり暖冬という温暖な冬は何年に一度しかありません。今年のような大変な冬が続くと思うと、暖冬と聞くとほっとするのは日本の半分以上の地域の人たちにいえるでしょう。

○4月に冬の寒さ
4月5日、6日と寒気が急南下し、雪や吹雪、竜巻を起こしました。日本付近はシベリアの寒さ、中国の方を見るともう赤い部分が北まで広がっていて、夏の気温になっているようです。まさに夏と冬が同居しているという異常気象になっています。

○春分に冬の嵐、南岸低気圧
3月20日、またまた爆弾低気圧が日本の南岸を北上してゆきました。太平洋側では暴風、北海道では猛吹雪と記録的な豪雪になりました。前回の13日の猛吹雪をニュースでは春の嵐といっていましたが、これらの南岸低気圧は2月に記録的な豪雪を起こした低気圧と同じ性格のものです。つまり春の嵐ではなく、冬の嵐なのです。この時期、春の嵐を起こすのは日本の南岸ではなく、北側の日本海を通る低気圧です。この低気圧に向かって南から吹く風を春一番といいます。春一番には時期の制限があり、立春から春分の間と決まっています。春分に春一番ではなく冬の嵐が吹き荒れるのは30年に一度の異常気象の一つなのでしょう。

○30年に一度の異常気象?
3月4日、気象庁で、今年の冬は30年に一度の異常気象であったという発表がありました。東大教授が偏西風の蛇行とブロッキング高気圧が原因といっていました。本当は、「偏西風の蛇行とブロッキング高気圧」の原因の方が重要なのですが、温暖化を原因とするのはまだ未解明の問題が多いからだと思います。
>>NHK 日本の大雪など「30年に1度の異常気象」

○異常寒波と災害
2月14日~15日の低気圧は、関東甲信に歴史的な大雪となり、ついに災害になってしまいました。日本付近への寒気の南下が治まらないのが一番の原因です。本来日本より北にあるソチが暖冬で雪が少なく、競技を夜に行うなどの障害が出ているのも、日本の異常寒波の反動要因の一つといえます。偏西風の蛇行は遠くヨーロッパの方からも影響がきます。今回の大雪は、地球の温暖化による自然災害です。

○寒気と偏西風の見方
寒気と偏西風の蛇行の図です。青い部分が寒気、赤い部分が暖気です。この画像は12時間ごとに更新されます。
540hpaの等圧線が寒帯偏西風(5400mのジェット気流)になります。これが日本を縦断する時は、寒気が流れ込み豪雨や豪雪になります。

○日本付近の寒気の南下
インド洋や北太平洋の海水温が高いため(ラニーナ現象といいます)、その辺りの偏西風が北に蛇行し、その反動で日本付近の偏西風が南に蛇行しています。また海水温が高いと低気圧となり、その反動で北極が高気圧になって、寒気を送り出すことになります。結局これが収まるのは春先になりそうです。
今回の厳寒は、猛暑の夏と合わせてラニーナ現象だったのだと思いますが、気象庁はラニーナ現象とは認めていません。しかし今年の夏はエルニーニョで、冷夏の予想が出ています。北極海の温暖化の影響もあるため、気象庁でも予想がつかないのかもしれません。
参考資料
>>d-web季節予報
>>世界的な異常気象と地球温暖化
>>猛暑の後は厳冬か? 猛暑と寒波の関係とは

○温暖化と寒気の南下
今年の冬も厳冬になりました。12月から、この偏西風の蛇行による日本への寒気の南下が著しくなっています。夏は猛暑、冬は厳冬というのが、最近は当然のようになっています。
夏の猛暑や豪雨、台風の凶暴化や竜巻の頻発、冬の厳寒や豪雪は最近の自然災害の一つといえます。ただ災害という言葉は人間に対してであって、地球にとっては温暖化による気温の上昇のバランスをとるための空気の循環なのです。人間が痛めつけた傷を、地球が自分で直しているのです。人間が行った地球へのストレス行為が、災害となって人間の戻ってきているのです。
画像をクリックするとd-webお天気サイトにとびます。
ヨーロッパ予報センターのデータを引用しています。

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